ChatGPTとClaude Codeで、ConoHa WINGのNextcloudを安全にアップデート【続編】
cron停止を復旧して、31から32へ
前回の記事では、次回から地域の商店街組織で行ったIT環境整備をご紹介するとお知らせしました。
その記事も準備を進めていますが、今回はその前に、運用中のNextcloudで行った31から32へのアップグレード記録を、続編として掲載します。
以前の記事では、ConoHa WINGで運用しているNextcloudを、バックアップと確認を重ねながら更新した記録をご紹介しました。
今回はその続編として、Nextcloud 31.0.14.1から32.0.15.1へのアップグレードを行いました。
単にバージョンを上げるだけでなく、事前点検の途中で見つかったcron停止の復旧、バックアップの取り直し、ファイル数の大きな差分の確認まで行ったため、実運用らしい検証を含んだ作業になりました。
まず見つかった、バックグラウンドジョブの停止
アップグレード前の点検では、Nextcloudのバックグラウンドジョブが約17日間動いていないことが分かりました。
Nextcloudでは、通知、ファイル処理、期限切れデータの整理など、画面を開いていない時間にも行う処理があります。これらを定期実行する仕組みがcronです。
設定画面上ではcronを利用する設定になっていたものの、実際には実行用の登録が存在しない状態でした。
原因を確認したうえで、5分ごとにcron.phpを実行する設定を復旧しました。その後は、手動実行だけで終わらせず、実際に定期実行が継続していることを複数回確認しました。
最初の実行時には、滞留していた処理の影響と考えられる一時的なメモリ警告もありましたが、その後は正常な間隔で動作しています。
アップグレードは、こうした日常運用の土台が整っていることを確認してから進めることが大切だと、改めて感じました。
今回から変えた、AIとの役割分担
今回の作業では、これまでよりもAIの役割を明確に分けて進めました。
- ChatGPT:作業全体の設計、確認観点の整理、判断基準の検討、記録の文章化
- Claude Code:実環境の事前確認、読み取り調査、承認後の限定的な作業実行、結果の記録
- 私自身:作業範囲の判断、実行承認、結果確認、次の工程へ進む最終決定
「AIに任せきりにする」のではなく、作業前に何を確認するかを整理し、想定外の状況があれば止めて確認する形です。
今回も、cronの停止やバックアップ容量の変化など、途中で気になる点が見つかりました。その都度、いきなり更新を進めるのではなく、原因を確認してから次へ進みました。
ChatGPTとClaude Codeを組み合わせることで、考える作業、確認する作業、実行する作業を分けながら進められたことは、今回の大きな収穫でした。
更新前に、復元できる状態を作り直す
cronの復旧を確認した後、Nextcloud本体とデータベースのバックアップを作成しました。
更新時に大切なのは、バックアップが「ある」ことだけではありません。障害が起きたときに、実際に戻せる状態になっていることが重要です。
そのため、通常稼働中に大部分のデータをコピーし、最後にメンテナンスモードへ切り替えて差分だけを取得する方式を採用しました。
メンテナンスモードの時間は49秒に抑えられ、データベースのダンプも取得・検証できました。
これにより、万一アップグレード後に問題があった場合でも、元の状態へ戻れる準備を整えてから更新に進めました。
ファイル数が大きく減っていた理由も確認
バックアップを取り直す中で、以前と比べてファイル数が大きく減っていることにも気付きました。
数字だけを見ると、ユーザーのデータが消えてしまったようにも見えます。しかし、確認せずに進めるわけにはいきません。
そこで読み取り専用の調査を行ったところ、差分の大半はNextcloud内部のアップデーターが作成していたバックアップデータでした。
利用者のファイル自体は削除されておらず、むしろ少し増加していました。ごみ箱の内容にも大きな変化はありませんでした。
容量やファイル数の変化は、必ずしも異常を意味するものではありません。ただし、理由を確認しないまま「たぶん大丈夫」と判断しないことが、運用では重要です。
Nextcloud 31から32へアップデート
必要な確認とバックアップを終えた後、CLIからNextcloudを31.0.14.1から32.0.15.1へ更新しました。
アップデート自体は約93秒で完了しました。
途中で一部のアプリが一時的に無効化されましたが、更新後には再び有効化され、互換性に問題があるアプリもありませんでした。
更新後には、次の項目を確認しています。
- Nextcloudのバージョンが32.0.15.1になっていること
- cronが引き続き定期実行されていること
- 重大なエラーやPHPの致命的エラーが増えていないこと
- データベース移行やファイル処理に問題が出ていないこと
- コアファイルの整合性に問題がないこと
- 主要なアプリが有効な状態であること
結果として、今回のアップグレードは問題なく完了し、現在はNextcloud 32.0.15.1で安定して動作しています。
「更新できた」で終わらせない
Nextcloudの更新では、画面上で完了と表示されれば終わり、というわけではありません。
バックグラウンド処理が動いているか、バックアップから戻せるか、ファイル数の変化に説明がつくか、更新後にエラーが出ていないか。こうした確認を重ねて、はじめて安心して使い続けられる状態になります。
今回は、アップグレードそのものよりも、事前点検の中でcron停止を見つけ、復旧・検証したことが重要な成果でした。
今後も、Nextcloudの安定運用を優先しながら、次のバージョンへの更新を慎重に進めていく予定です。
※本記事は当社環境で行った作業記録です。サーバー構成やNextcloudのバージョン、利用中のアプリによって必要な手順は異なります。実施前にはバックアップと復元手順の確認をおすすめします。


