古いiMacもLinux Mintで再生。1台の実験から、事務所全体のLinux化へ【古いPC再生②】
VAIOから始まった再生実験
前回は、2008年製の画面一体型VAIOをLinux Mintで現役復帰させた話をご紹介しました。
古いPCでも、性能に合った軽量なデスクトップ環境を選べば、用途によっては十分実用になる。そのことを確認できたのが第1回でした。
今回は、その実験を事務所全体へ広げた話です。
処分せずに残していた古いiMacにもLinux Mintを導入し、単なる再生機ではなく、日常の業務を支える端末として使い始めました。
次に選んだのは古いiMac
今回使用したiMacは、Core i5-4570R、メモリ8GBを搭載したモデルです。
内蔵1TB HDDはそのまま残し、外付けの256GB SSDにLinux Mint 22.3を導入して、そこから起動する構成にしました。
iMacの筐体を分解して内蔵ディスクを交換する必要がなく、既存の内蔵HDDへ加える変更も最小限に抑えられます。
古いMacへのLinux導入では、Wi-Fiやグラフィックなどが問題になる場合もあります。しかし、このiMacではWi-Fi、内蔵カメラ、音声、Bluetoothなどが認識され、大きな問題なく使用できました。
Cinnamonを選んだ理由
VAIOでは、搭載メモリが約4GBと少ないため、軽量なXfceデスクトップを採用しました。
一方、iMacは4コアのCore i5と8GBのメモリを搭載しています。Xfceほど軽さを優先しなくても余裕があるため、見た目と操作性のバランスが良いCinnamonデスクトップを選びました。
同じ「古いPCの再生」でも、すべてに同じ構成を入れるのではなく、性能と役割に合わせてデスクトップ環境を選ぶ。この考え方は、別のPCを再生するときにも大切な基準になります。
事務所の役割分担へ組み込む
再生したiMacは、単体で使うのではなく、事務所の机全体の役割分担に組み込みました。
中央のThinkPad L580を業務用のメインPCとし、その奥に接続したEIZOディスプレイを拡張画面として使用しています。左側のiMacはClaude CodeやSSHを使った作業、EIZOの右側に置いたVAIOは軽量なLinux端末として活用しています。
- ThinkPad L580: メール、資料作成、Web閲覧など日常業務の中心
- EIZOディスプレイ: ThinkPadの拡張画面
- iMac: Claude Code、SSH、サーバー作業の確認画面
- VAIO: 軽量Linuxの再生・検証端末
- MacBook Air: 持ち運びと外出先からの遠隔確認
メインPCでメールや資料を確認しながら、視線を少し動かすだけで、iMac側でAIエージェントの作業状況やサーバーの状態を確認できます。実際にこの配置で作業してみると、ウィンドウを頻繁に切り替える必要がなくなり、想像以上に作業しやすくなりました。
Deskflowで3台を一つの机に
複数のPCを並べるだけでは、それぞれのキーボードとマウスを持ち替える必要があります。
そこで、ThinkPad、iMac、VAIOにはDeskflowを導入しました。中央のThinkPadで使っているキーボードとマウスを、そのまま左右のiMacやVAIOへ移動して操作できます。
画面の端を越えるようにマウスポインターを動かすと、別のPCへ操作が移ります。OSはそれぞれ独立したLinux環境ですが、机に向かっている人から見ると、一つの大きな作業環境のように扱えます。
古いPCを何台も動かすことが目的ではありません。それぞれに役割を与え、操作の負担を減らして、全体として使いやすい環境にすることが大切です。
46,149通のメール移行にも使用
この構成が、単なる「机の効率化」で終わらなかったのが、今回一番お伝えしたいところです。
以前の記事「協栄興業のWeb・メール環境を再編する【第2回】」でご紹介した、協栄興業の9アカウント、約5.7GB、46,149通のメール移行。
このとき、実際にimapsyncを動かし、移行状況やサーバーの状態を確認する作業機として使用したのが、再生したiMacでした。
Linux Mintを試すだけの端末ではなく、会社のメール基盤移行を支える実務機になったのです。
再生した当初には想像していなかった役割を、結果として担うことになりました。
1台の再生から、事務所全体の見直しへ
古いPCを再利用する際に大切なのは、単にLinuxをインストールすることではありません。
機器の性能や設置場所を確認し、それぞれに無理のない役割を持たせることです。すべてを最新機種へ交換しなくても、既存の機器を組み合わせることで、実用的な業務環境を整えられる場合があります。
VAIOの再生から始まった小さな実験は、iMac、ThinkPad、MacBook Airへと広がり、気づけば事務所全体の作業環境を見直すきっかけになっていました。
新しいか古いかではなく、その機器に何を任せるか。
眠っていたPCも、役割を見直せば、まだ仕事を支える道具になり得ます。
次回は、複数拠点を安全につなぐ
こうして、事務所では複数のLinuxパソコンを用途に応じて使い分けるようになりました。
しかし、メインオフィスとセカンドオフィス、さらに外部のVPSを安全に行き来するには、もう一つ仕組みが必要です。
次回は、Raspberry PiとOdroidをサブネットルーターとして配置し、Tailscaleで複数拠点をつないだネットワーク環境をご紹介します。
免責事項
この記事は、筆者自身の環境で実際に行った作業を記録したものです。
使用するPCの機種、状態、周辺機器などによって、導入できるLinuxディストリビューションやデスクトップ環境、各種ソフトウェアの動作状況は異なります。
古いPCへLinuxを導入する際は、事前に機種固有の情報を確認し、必要なデータのバックアップを取得したうえで、ご自身の責任で実施してください。


